ビジネスとはモノやサービスを換金する活動です。
しかし、お金を支払うお客様の心理としては、必ずしもモノやサービスだけを対象にお金を支払っているわけではありません。
「その商品があるときっと素敵になるだろう」
「あのサービスを受けると便利になるに違いない」
という、期待や希望に対して対価を支払っているわけです。
あるいは、
「あの人が持っているから、私も欲しい」
という欲求が働くこともあります。
今まで利用したことのない商品・サービスの場合、それは顕著に表れます。
それはそうでしょう。
なぜなら、まだ一度も使ったことがないのだから。商品・サービスの本来の性能・機能なんてわかるわけがありません。
イメージや推測を根拠に購買するしかないのです。
それでも、世の中にある商品・サービスはすべて、売れる商品と売れない商品に分類することができます。
その原因はもしかすると、売り方が影響しているのではないでしょうか?
「いいモノはいつか必ず売れる」
「コストを下げて、定価を安くすれば同業他社に勝てるはず」
確かに一理あります。ただ、この不況の中、そんなにゆったりと待っていられますか?
「では、どのように売ればいいのか?」
その答を得るためには、販売心理学や購買心理学を学ぶ必要があります。
残念ながら弊社はその専門ではありませんので、ここで端的にお答えする能力を持ち合わせていません。
ただ編集のプロとして断言できることは、
「製品・サービスのPR手段としては、効果が期待できそうにない営業ツールが多い」
ということです。
みなさん、企業人としての立場ではなく、一消費者の立場で思い起こしてみてください。
金融商品やパソコンなどのパンフレット、あるいは電化製品やプロバイダなどのホームページを見て、
「いったい何が言いたいんだ?」
「説明不足で、知りたいことがわからない!」
「効果・利点は書いてあるけど、肝腎なスペックが書いてない!」
「結局、この商品とその商品とでは何が違うんだ?」
という思いをした経験はありませんか?
こうしたフラストレーションを生む原因は、多くの場合、パンフレットやホームページの作成を依頼した会社の考え方にあります。また、制作をした編集者やコピーライター(原稿執筆者)の技術レベルにも問題があるでしょう。
もちろん、パンフレットやホームページだけで製品・サービスのすべてを理解してもらうことは不可能です。営業ツールだけが売上を左右するわけでもありません。
ただ、
「購買する人ができるだけわかりやすい情報」
を提供すれば、売上に好結果をもたらすのは自明の理ではないでしょうか。
販売心理や購買心理を最大限に活用するためには、販売促進営業ツールを作成する際に、この「わかりやすさ」を追求することが大きなポイントとなります。
「わかりやすさ」は、「製品・サービスの差別化」や「購買後の利用イメージ増大」につながるからです。