●下記は、『労働組合機関紙編集BOOK』から一部を抜粋したものです。
労働組合の機関紙は、いったい何のために発行されているのでしょうか?
「そりゃもちろん、読者である組合員に伝えるべき情報を伝え、場合によっては双方向のコミュニケーションを図るためだよ」
ご名答! と言いたいところですが、それは最終目的ではありません。「伝えるべき情報を伝え、双方向のコミュニケーションを図る」ことはあくまでプロセス途中の努力目標でしかありません。「何かを実現する」ために、伝えるべきことを伝えようとしているはずです。
大切なことは、「最終的に何を実現するために、機関紙を発行しているか」です。
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機関紙発行の目的を達成するための道筋を、少し整理して考えてみましょう。例として下に、機関紙発行から最終目的達成までの一般的な流れを、チャート形式で示しました。
(1)機関紙を発行する
↓
(2)組合員が機関紙を読む
↓
(3)
↓
(4)組合員の思考や言動が変わる
↓
(5)組合の団結力が強くなる
↓
(6)当局や使用者に対する力が強くなる
↓
(7)安心して働ける就労条件、就労環境が整う
↓
(8)組合員およびその家族が幸せな生活を送る
上の(3)には何が入るでしょうか? たとえば......
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""よい機関紙"を作るためには「必要十分な情報」を掲載することが条件となります。
それでは「必要十分な情報」とはいったい何でしょうか? わかりやすい表現で言えば「伝えるべきこと」とは何でしょうか? できるだけ具体的にお答えください。
「うーん。組合の方針や活動報告、今後の見通し、インタビュー記事、イベントの予定、読み物的なコラム、共済に関すること......などかなあ。あっ、広告も大事な情報だと思うよ」
これは、ある制作担当者による答です。なんとなく網羅されているように思われますが、あまり整理されていませんね。たとえば、「組合の方針や活動報告」「共済に関すること」などは記事内容による分類ですし、一方、「インタビュー記事」や「読み物的コラム」は記事形態による分類です。
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そもそもニュースとは何を指すのでしょうか? 辞書には、
新しい出来事やその知らせ
報道、報知
などと記載されています。このうち、キーワードとなるのは「新しい」です。新しいということは、それを見たり聞いたりするまで誰も知らなかった情報、だと言えます。言い換えれば、
読むことによって読者が何かを発見できる情報
ということです。すでに他のメディアで報道され、多くの人が知っている情報は、ニュース価値が低いということになります。。
とはいえ、労働組合は新聞社ではありませんので、毎日ニュースを追いかけることはできません。ですから、
ニュース性が比較的高い情報
を掲載するよう心掛ければ十分かと思います。
組合におけるニュース性の高い情報としては、主に次のものが挙げられます。。
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機関紙制作のフロー(流れ)は、作り方によって多少異なります。
手作りの場合、DTPの場合、組版・印刷外注の場合に分けると、それぞれ以下のような流れとなります。
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機関紙制作フローの中で、編集担当者はどの部分において役割を担うのでしょうか? 制作体制や状況によって異なりますが、「ほとんど全部」です。。
もっとも、取材、原稿、レイアウト、写真、校正、印刷などの作業工程を別の関係者や取引業者に依頼すれば、編集者の作業は確かに減ります。ただ、役割が完全に消えるわけではありません。それぞれの作業工程を管理する必要があるからです。
つまり、編集者の本来業務は「管理」なのです。工事 現場における「現場監督」のような役割です
具体的には、下表のような役割・作業が必要とされます。
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「スケジュールなんて、あってないようなもので、ほとんど守られたことがない」
「きちんと発行予定日を守りたいのだけれど、忙しすぎてどうしても遅れてしまう」
そんな声が聞こえてきそうです。
確かに、スケジュールを守ることは至難の業です。ものすごく怖い上役がいて、予定通りに発行しないと烈火のごとく怒られてしまうという環境なら、守らざるを得ないでしょうが......。
先に結論を述べると、
スケジュールを守る最大の処方箋は、「締切」です。けっして「余裕のある期間」ではありません。いくら作業期間を長く設定しても、締切が設定されていなければ作業に手をつけることすらしないかもしれません。
。
では、有効な締切設定の方法は何でしょうか? ポイントは3つあります。
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