●下記は、『労働組合機関紙編集BOOK』から一部を抜粋したものです。完全な情報は同書をご覧ください。
第1問。労働組合の機関紙は、いったい何のために発行されているのでしょうか?
「そりゃもちろん、読者である組合員に伝えるべき情報を伝え、場合によっては双方向のコミュニケーションを図るためだよ」
ご名答! と言いたいところですが、それは最終目的ではありませんね。「伝えるべき情報を伝え、双方向のコミュニケーションを図る」ことはあくまで2次的な努力目標でしかありません。「何かを実現する」ために、伝えるべきことを伝えようとしているはずです。問題は、「最終的に何を実現するために、機関紙を発行しているか?」です。
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機関紙発行の目的を達成するための道筋を、少し整理して考えてみましょう。例として下に、機関紙発行から最終目的達成までの一般的な流れを、チャート形式で示しました。
(1)機関紙を発行する上の(3)には何が入るでしょうか? たとえば……
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“よい機関紙”をつくるためには「必要十分な情報」を掲載することが条件となります。
それでは「必要十分な情報」とはいったい何でしょうか? わかりやすい表現で言えば「伝えるべきこと」。できるだけ具体的にお答えください。
「うーん。組合の方針や活動報告、今後の見通し、インタビュー記事、イベントの予定、読み物的なコラム、共済に関すること……などかなあ。あっ、広告も大事な情報だと思うよ」
これは、ある制作担当者による答です。なんとなく網羅されているように思われますが、ちょっと整理されていませんね。たとえば、「組合の方針や活動報告」「共済に関すること」などは記事内容による分類ですし、一方、「インタビュー記事」や「読み物的コラム」は記事形態による分類です。
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そもそもニュースとは何を指すのでしょうか? 辞書には、
新しい出来事やその知らせ
報道、報知
などと記載されています。このうち、キーワードとなるのは「新しい」です。新しいということは、それを見たり聞いたりするまで誰も知らなかった情報、ということができます。言い換えれば、
読むことによって読者が何かを発見できる情報
ということです。ですから、すでに他のメディアで報道され、多くの人が知っている情報は、ニュース価値が低いということになります。
とはいえ、労働組合は新聞社ではありませんので、毎日ニュースを追いかけることはできません。ですから、
ニュース性の高い情報
を掲載するよう心掛ければ十分かと思います。
組合におけるニュース性の高い情報としては、主に次のものが挙げられます。
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機関紙制作のフロー(流れ)は、作り方によって多少異なります。
手作りの場合、DTPの場合、写植の場合は、それぞれ以下のような流れとなります。
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機関紙制作フローの中で、編集担当者はどの部分において役割を担うのでしょうか? 制作体制や状況によって異なりますが、「ほとんど全部」です。
もっとも、取材、原稿、レイアウト、写真、校正、印刷などの作業工程を別のスタッフや団体・会社に依頼すれば、編集者の作業は確かに減りますが、かと言って役割が完全に消えるわけではありません。それぞれの作業工程を管理する必要があるからです。
つまり、編集者の本来業務は「管理」なのです。工事現場における「現場監督」のような役割です。
具体的には、下表のような役割・作業が必要とされます。
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「スケジュールなんて、あってないようなもので、ほとんど守られたことがない」
「きちんと発行予定日を守りたいのだけれど、忙しすぎてどうしても遅れてしまう」
そんな声が聞こえてきそうですね。
確かに、スケジュールを守ることは至難の業です。ものすごく怖い上役がいて、予定通りに発行しないと烈火のごとく怒られてしまうという環境なら、守らざるを得ないでしょうが……。
先に結論を言いましょう。
スケジュールを守る最大の処方箋は、「締切」です。けっして「期間」ではありません。いくら作業期間を長く設定しても、締切が設定されていなければ作業に手をつけることすらしないでしょう。
では、有効な締切設定の方法は? ポイントは3つあります。
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